政治

マスメディアも国民も、どこかに叩く先はないかと目を皿のようにして探し回り、何かみそをつけた組織なり人なりがあれば、いっせいに集中砲火を浴びせる。そのための道具立てが、近年急速に発達してきていることもあって、その力もどんどん増大しているようだ。

H-Yamaguchi.net: 「ビッグ・ブラザー」って私たち自身のことだったんだ

目先の目立つ出来事に全力で対処するあまり、他の重要な案件がおろそかになるということはありそうだ。
もし政治がそのような状態となっているのだとしたらそれは、民衆が愚かだから発生しているというよりは、意思決定のための構造に欠陥があるのではなかろうか。すなわち、事案の判断自体は適切だが、事案の優先度処理が間違っているということで、こういう現象を衆愚政治と呼ぶのは適切ではなさそうだなと思う。

本来政治のタスクというものは優先度つきキューで処理されるべきものであるが、最大優先度のものばかり突っ込まれれば当然機能不全に陥る。OSでいうところのスラッシングを起こす感じか。OSと違って政治の場合、キューに突っ込む時点で優先度は不明なのだが、優先度の判断と事案審議が一緒くたになっているため事案審議が終わるまでタスクスイッチが起きないというシングルタスク状態になっていそうである。
例えシングルタスクであっても入力量を上回るスループットが出せれば問題はないが、実際には大量の接待やら陳情やらでタスクが埋まっているのではないか。秘書という名の仮想デバイスを増設して処理能力を上げることもできるが、特権命令の使いどころを間違えて例外でキャッチされたりとかなんとか。
政治というのは本当にパフォーマンスが重要なのだなあと思う。